特別企画 岐阜は燃えているか?(本当っすか?)
 と。言うことで。久しぶりの特別企画です。まぁ、別にこの枠を持ってこなくても次号のフリートークとかで言 えることなんですけど、一ヶ月も先に延ばされてしまうので。だって、GWの出来事を6月に書けないでしょ? まぁ、とにもかくにも岐阜方面のお話です。
 しかしまぁ。サブタイトル何とかなんないですかねぇ。ヘンに深い意味があると妙に取られるし、逆に率直 だとつまらないしね。だったら、意味がないのと思ったら、これってゆうきまさみ氏がマイナー時代に描かれ たマンガのタイトルのもじりじゃないですかぁ。多分、殆どの方が原点を解らないと思いますけど。ちなみに。 これと言って意味はないです。念のため。
 でまぁ、本当に久々に岐阜方面に行って来た。何せ、遠出するのも久しぶり。だって、毎年何処かへ出か けていたのは、2・3年前。一番最後がたしか、北陸だと思った。まぁ、止めたのはこれと言ってないんです けど、この業種になってから行く機会が更になくなったのである。それというのは、なんだろうか?考えるに 通勤していないからじゃないか。と言うにも、この業種というのは現場へは送迎バスや自転車など電車とは 全くかけ離れた所にあるのだ。別に旅行が嫌いになったとか鉄道に興味がなくなったとかそう言うことでは なく、単に離れてしまったんじゃないかと。そう思うのである。久しぶりなので勘を戻すのが大変だった。っ て、旅行に勘は必要なのか?これがまぁ、必要と言えばそうだし、言い切っちゃえば”慣れ”である。どんな 状況でも、即座に決める。殆ど、予定がないのでその場その場で次の行く先を決めていく。帰りの夜行まで の時間を配慮してどう行動するかを決めるのは他人じゃなくアクマでも自分なのである。そう、言ってはいる が失敗した。私の愛機であるアサヒペンタックスS2を忘れてきてしまったのである。あーあ。しかも、控えの フィルムは持ってきているのに。しかし、これで改めて考えることが出来たのである。”自分にとって写真と は何か?”を。ちなみに、豊橋で使い回しのカメラ(40枚!)を購入することで事なく終わったのであった。
 って、本題になかなか入ってませんね。じゃぁ、もうそろそろ。5月3日、久しぶりのムーンライトながらに乗 るため私は東京へ旅立ったのであった。ながらになってから乗るは、本当に久しぶりでまだ、近鉄の孫会社 に勤めていた頃だから、2年前である。寝れるかと思えば寝れなかった。向かいの4人組が五月蝿かった。 よく、あんな状況で眠れるねぇと言われるがそれは静かだから寝れるのであって、話し声が聞こえたら寝れ やいない。と、言うことで4日は殆ど完徹状態で望む羽目になった。隣の番線に頻繁に顔を出すのは臨時の 大垣行き。いつもだったら混んでいると言う印象が強いのだが、今回は空いている。しかも。この列車、臨時 のくせして豊橋でながらを追い越してしまう。何かつまらないなぁと思って、乗り換えてしまった。4日の早 朝、名古屋で途中下車をした。それは何故かと聞かれれば、名鉄のフリー切符を買うためである。実は二 日分なのだが一日だけ使っても良いぐらい便利。と言うか安上がり。いちいち切符を買う手間は省けるし、 何よりも手元に残る。まぁ、本音は一日用を出して欲しいんですけどね。
 再び、JR名古屋へ入る。そこから、二両編成の美濃赤坂行きで岐阜に出た。久しぶりの岐阜。変わって いない。こんな早く(6時13分着)に着いたので何処に行こうか迷ってしまう。何せ、始発が出ているかどう か解らない。取り合えず、市内線の岐阜駅前停留所へ行く。正直なハナシ、あそこに行くのは初めてだった りする。殆どが新岐阜駅前で引き返してしまうためなのだが、ちゃんとした安全地帯があるのはここだけな ので安心して待てる(他の停留所は仕切はあるが白線を引いてあるだけなので待っているとクルマが突っ 込んできそうで恐いんです)。待っていると、黒野行きがやってきた。まだ、クルマが少ない道路を悠々と 走っていく。水を得た魚のようである。ところで、朝食を食べていない。と言うか、何処も開いていない。市内 線に乗り込んだのは開いている店を探すためだったのだ。あ、マックが開いてる。あー、良かったなぁ。取り 合えず、忠節で引き返すことに。と、そこへやってきたのはさっき乗った新型と違い、赤い電車。近頃の電車 は揺れないのが多いが、揺れる方が乗っている実感が沸いてくるのは私だけだろうか。
 新岐阜駅前まで乗って、マックで朝食を摂る。その後、末端が廃止されてしまった美濃町線に乗るために 新岐阜へ。そこで待っていたのは、あの連接車(元札幌市)。もう、お目にかかれないと思っていたのが ひょっこりと待っている。行き先は新関。この路線の面白いのは競輪場前の直前までは鉄道線を走るとこ ろ。何せ、田神では鉄道線用と軌道線用のホームが同居しているのである。これは一回見た方がいいです よぉ。違和感なく存在しているのがまた、良いのである。でまぁ、そうであるからして、美濃町線は複電圧で ある。両方の電圧を兼ね備えている車輌じゃないと走れないのである。だからと言うべきではないが驚いた のであった。難無く走っている。素っ気なく。鉄道線から軌道線に入るとほとんど、我が道を行くという感じで ある。新関から関までは、電車がなかったので歩いて関まで。いやまぁ。これが歩けるんです。そんなに離 れていません。停留所も取って付けたような停留所でなんだか間借りをしているような雰囲気。そこで待っ ていたのが、新車。この新車、面白い構造になっていて、入口からはいると二方向にイスが並べられてい る。それは良いのだが、斜面のようになっているのだ。つまり。両運転台から斜めになっているのである。関 から乗り込むのだが、新関までカーブの連続。よく曲がれるなぁと思うぐらい、頻繁に曲がっている。野一色 まで乗って徹明町行きに乗り換え。徹明町からは再び、市内線。新岐阜駅前まで乗って、新岐阜からは本 線に乗り換えた。駅の中に入ったら豊橋行きの急行、それも。パノラマが停まっていたので、これは先頭車 に行かねばと思い、先頭車へ。まだ、席は空いていたのだが、反対側に座っている二人組の様子が何だが ヘンである。何でと言いますと、テープレコーダを取り出して、キャッキャと騒いでるのは解る。多少は五月 蝿いなぁと思うけど。駅を通過する際、ホーンを鳴らすのだがそれがお気に入りらしく、それを録っては騒い でる。この人達大丈夫かなぁと人のことは言えないが心配になってきた。余談になるが鉄道ファンってこうい う人達もいるんですよね。私が引き寄せるのかよく遭遇するんですわ。そう言うのに。何が嬉しいのか解らな いけど、やけにニヤニヤしていたり。一番印象深いのは二年前、岐阜に訪れた際、満員になった市内線で のこと。肩からテープレコーダーをぶら下げたその人は幾度も録っては止めてを繰り返していた。あれは何 だったんだろう。多分、キ○ガイなんだろうなぁ。
 豊橋駅付近をぶらついて、新岐阜へ引き返した。んで、使い回しのカメラを買ったのだが、40枚撮りきれ るんだろうかと、思ってしまった。そんなにねぇと。取り合えず、パシャパシャと撮りまくる事に。何せ私は シャイな性格なのであまり、人目が付くところでは撮りたくないのである。そんな私がである。車内から撮れ るもんだろうか?これがまぁ。やってのけたのだ。もう、殆ど勢い任せ。形振り構わずシャッターを押しまく る。ちなみにカメラを構えているのはほぼ一瞬である。新岐阜に戻ると、八百津線へ行くために各務原線 へ。隣のホームでは朝乗った車輌が発車を待っていた。と、すると乗り込む列車はホームが短すぎるため開 かない駅が何駅かあると車内アナウンスで言っていた。…‥、田舎だなぁ。途中から、同区間を走る高山本 線が見えるのだが、列車が見えない。本当に走っているのかなぁと思って、時刻表で調べてみると本数が 少ないのだ。各務原線と高山本線。比べようがないほど差が開いている。新鵜沼から犬山遊園は言わずと 知れた、鉄道と道路が同居している橋。長良川を渡っているのだが、ここの区間は去年付け替えられたハ ズ。なにに、橋はまだ工事中で付け替える前とスピードが変わっていなかった。まぁ、あの景色を見る分に は十分すぎるスピードなのだが。犬山で乗り換え。まずは広見線で明智まで。名鉄は名古屋付近や岐阜な どを見れば市街地を通る路線に見えてしまうが、末端区間に行けば行くほど、鄙びてくる。田舎そのもので ある。美濃町線も末端区間がそうだったが、今でも田舎を走っている。そして。今年の9月末で廃止されると 言う八百津線も更に鄙びいている。こんな所に走らせて採算が取れるんかいなと思うぐらいに。架線は外さ れレールバスが走っている。架線柱がそのまま残されて、まるで廃線跡を走っているかのようである。この 光景を見て切ない気分になってきた。これを撮って喜んでいる連中はきっと、何も感じないのだろう。寂しさ も侘びしさも。私はどちらかと言えば、風景を切り取る方なので感情移入してしまうのである。とにもかくに も、最初で最後の八百津線は私にはそう映ったのであった。
 明智まで引き返して、新名古屋へ。犬山までは起きていたが、気が付いたら寝ていた。多分、疲れていた んだろうなぁ。そして、新岐阜へ戻って、市内線へ。夕暮れの中、勇気を振り絞って安全地帯で電車を待っ てみることに。…‥、恐かった。クルマが突っ込んでこないようにと祈るしかなかった。しかも。横断歩道に くっつくカタチであるのに、徹明町の安全地帯は離れているのだ。この時間帯の市内線はクルマに自由を奪 われて息苦しそうだった。軌道内を進入させないようにすればいいのにと思ったが、車線が一車線しかない のでそうもいかない。ドライバーのマナーに頼るしかないのである。にしても路駐の多さ。これのおかげで更 に狭くなっている。待つ方も乗る方もヒヤヒヤしてくる。遅らせているのはクルマだと奴等は気が付かないの だろうか?まぁ、そう言う人達は電車に乗らないので気が付かないと思うが。この時間帯に乗ったのは時間 が余っていたのもあるが、夜の揖斐線に乗ってみたいというのもあった。真っ暗の中走る電車。その姿は幻 のようにも見える。近いうちに幻になってしまうのだが。
 最後に。大垣で思ったこと。22時半まで開けろとは言いませんが、せめてでもコンビニの数を増やして欲 しいです。サンクス一軒ではきついです。多分、吉野屋とかが出来たら繁盛するだろうなぁ。
(初出:洗脳されるぞっ!!R第42号;平成13年6月23日発行分に掲載) 後日談:この文章が載った約一ヵ月後に解雇通知が。この頃は某社に勤めていてその某社がリコールされたそうな。 まぁ、この年を覚えている方は大体解ると思います。結局、9月に愛知県は岡崎市に転勤。そのまま3月まで居ました。 時折、岐阜には行っていたんですけど、路面電車がある風景と言うのは憧れてしまうものであります。ちなみに、 文中に出てくる”S2”って何?と思われた方。ついでなのでそちらもアップしておきますので。と言うか、カメラをデジカメで撮るか?普通。 これがアサヒペンタックスS2です
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